水痘
- 2021年6月11日
- 病気について
水痘はみずぼうそうとも呼ばれる全身に水ぶくれ(水疱)ができる伝染性の病気です。
ここ最近水痘のお子様が受診されることが続きました。
幼児から小学生と年齢は様々で、
通われている保育園、幼稚園、小学校も共通点はなく、散発的に発生しているようです。
水痘は空気感染によって広がるため、以前であれば一人発症すると、
免疫を持たないクラス全体に広がり、はっきりと流行が確認できたのですが、
2014年10月から予防接種が定期接種化され、大規模な流行は確認しづらくなりました。
全国の発生数もグラフのように定期接種化を境に減少しています。
このように予防接種は水痘の発症予防に有効ですが、予防接種を打ったにもかかわらず、
水痘を発症してしまうことがあります。
ブレイクスルー水痘と呼ばれ、1回接種では10-20%、2回接種でも数%報告されています。
最近受診された方も皆さん予防接種は受けられており、このブレイクスルー水痘に該当しました。
水痘にかかると、典型的には短時間のうちに身体から顔面、四肢へと水疱がどんどん増加していきます。
頭部や口のなかの粘膜部にもみられるのが特徴で、水痘を疑った場合には頭もしっかり探します。
また、水疱の出現と前後して発熱もみられることが多いです。
ただ、ブレイクスルー水痘では、熱がなかったり、水疱が少しだけだったり、
症状が典型的ではない経過をたどることが多く、診断の際には非常に悩まされます。
症状が軽いと、水痘が疑われずいつもどおり集団生活を過ごされることもあり、
このような散発的な発生になることも珍しくありません。
水痘は自然治癒する病気ではありますが、感染力が強く、重症化する可能性もあるため、
発症早期に診断がついた場合には抗ウイルス薬を内服します。
内服によって発熱期間や水疱の数、かゆみ等の軽減が期待できます。
また、水痘は学校感染症に指定されている病気ですので、
診断された場合にはすべての水疱がかさぶたになるまでは出席停止となりますのでご注意ください。