解熱薬(熱冷まし)の使い方
- 2021年1月9日
- お薬について
お子様が発熱した時に解熱薬を利用されることがあると思います。
どのような使い方がよいでしょうか?
発熱の多くは病原菌と戦うために身体が上昇させています。
体温を上げることで体内での免疫の働きを高め、また病原菌の増殖を抑えるというメリットがあるからです。
そのため解熱薬を使ってでも下げないといけないということはありません。
身体のしくみとして、通常の発熱では41.5℃を超えることはないといわれており、
42℃を超えるような発熱でなければ脳やその他臓器への悪影響はないと考えられています。
その点からも高熱そのものを心配する必要はありません。
ただ、発熱による体力消耗やせん妄、食欲不振など悪い影響もあります。
これらの悪い影響を少し和らげるという目的で解熱薬は使用しましょう。
具体的には38℃くらいでも熱がつらくて水分が摂りづらい、眠れないなどがあれば使用、
逆に40℃近くあっても、水分も摂れ、ある程度元気にしている場合には使用しなくてもかまいません。
体温計を見てというよりも、お子様の様子をみて使用を判断しましょう。
ちなみに、高熱の際にけいれんを心配されるご家族も多いですが、
熱性けいれんの多くは体温が急激に上昇するときに起こること多く、
体温が高いほうが起こりやすいことはありません。
解熱薬に熱性けいれんを予防する効果はないとされていますので、
けいれんが心配だからという理由も解熱薬を使用する目的としてはあまり適切ではありません。
また、6ヶ月未満の乳児の場合には体温調節が未熟なため、原則として使用しません。
基本的に処方されることはないと思いますが、
ご兄弟に処方された解熱薬を使用することも控えてください。