熱性けいれん
- 2021年2月2日
- 病気について
熱性けいれんは急な発熱に伴って、意識障害・けいれんを引き起こす病気です。
急激に体温が変化するタイミングで起こりやすく、熱の出始めに起こりやすいです。
6ヶ月から6歳くらいまでが起こりやすい年齢と言われていますが、
初めてのけいれんを経験するのは3歳までがほとんどで、1歳代がピークです。
症状としては、意識がなくなり、全身をつっぱってガクンガクンと震えるような症状が典型的です。
その多くは5分以内で自然に止まることが多く、
来院されたときには普段どおりということがほとんどです。
それでは、お子様がけいれんした際、どのように対応すればよいでしょう。
結論からいうとやらなければいけないことは特にありません。
しいて言うならば、まずは救急車を呼びましょう。
自然に止まってしまえば、結果的に救急車が不要であることも多いですが、
必ず止まるとは限らないですし、
しばらく様子をみて、けいれんが止まらなければ救急車をよびましょうといった記載も見かけますが、
個人的にはけいれんしたらまず救急車という対応でよいと思います。
それで「なんで救急車を呼んだんだ」と怒る小児科医は絶対にいません。
余裕があるようなら首元がきつめの服を着ているようなら少し緩めたり、
吐いてしまったら、体ごと横に向けたりということができればよいでしょう。
また、どれくらいの時間続いたか、手足は力が入っていたか、力が抜けていたかなどの情報があると診療上とても参考になります。
が、そこまで冷静に対応するのは難しいと思いますので、
まずは救急車を呼ぶ。これだけで大丈夫です。
けいれんで受診しても、問題がなければ様子をみましょうと言われます。
帰宅後は問題なくコミュニケーションが取れるか、
今までできていたことができなくなっていないかなど注意してみてください。
その後は発熱のたびにけいれんが心配になると思いますが、
3割前後くらいの方が2回目のけいれんを経験するといわれており、
逆に言うと、半分以上のかたは二度とけいれんを起こすことなく成長していきます。
何度も熱性けいれんを繰り返す場合には、予防薬を使用することもありますが、
保護者の方の心配に応じて繰り返していなくとも処方することは可能です。
副作用等をご理解いただいたうえでになりますが、お気軽にご相談ください。
また、解熱薬(熱冷まし)ではけいれんは予防できないことが分かっています。
けいれんが心配という理由で解熱薬を使用することは控えましょう。