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診療報酬改定について|にじいろこどもクリニック|府中市晴見町にある小児科

診療報酬改定について

診療報酬2.22%引き上げ、薬価0.87%引き下げも全体で12年ぶりプラス改定

最近、ニュースで来年度の診療報酬改定について報じられています。

プラス改定となったことはありがたいことですが、
「12年ぶり」というフレーズは物価高、人件費上昇の時代において、厳しい改定が続いていたなと改めて感じています。

この改定の影響ですが、よくも悪くもあまり変わらないだろうなというのが正直なところです。

国全体の医療費が年間50兆円、1%上がると5000億円増えるという計算もありますが、
そんなことは全くありません。
診療にかかる医療費については初診料、再診料に様々な加算が付け加えられています。
感染症を診療する施設、マイナ保険証を導入している施設など様々な条件をクリアすることでこれらを追加することができ、
当院の外来でいうと、2分の1から3分の1は加算部分が占めます。

そんなわけで、診療報酬が2%上がると国全体の医療費や医療機関の収入が単純に2%上がるということでもないのです。
また、これまでの改定では一見プラス改定にみえても、加算部分は削除されたり、条件が厳しくなったり、
全体で見ると思ったほどプラスにならない、むしろマイナスなんてこともあったので、実際どれくらいプラスになるのかまだ不明です。

基本的に改定は2年に1回なので、インフレ率を下回る改定では、
問題になっている病院の赤字を補填していくには不十分であることは間違いないです。

医療としても無駄な医療費を削減する努力が必要だと思いますが、
病院の小児科については、採血など何をするにもスタッフ複数名必要など削減できない人的な無駄も多く、
最も収益性の低い赤字部門のひとつなので、このままでは民間病院では真っ先に閉鎖、
公立病院が社会的な責務として税金を投入しながら維持するしかなくなります。
とはいえ、税金の投入にも限界があるでしょう。

少子化が進んでいく中、財源など様々な問題があると思いますが、
必要な小児医療体制が維持されることを願うばかりです。

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